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書類電子化を業者に頼むときの不安8つ|現場が実際にどう対応しているかを解説

書類の電子化を外部に依頼しようと考えたとき、多くのご担当者が同じところで足を止められます。「本当にきれいにスキャンされるのか」「使えるデータになるのか」「原本は無事に戻ってくるのか」。

こうした不安は、電子化という作業が「終わってからでないと結果が分からない」性質を持つことから生じます。書類を預けてしまえば、あとは納品を待つしかない——そう感じられるのは自然なことです。

この記事では、実際にお客様から寄せられることの多い8つの不安について、なぜその不安が生まれるのか、業者を選ぶ際に何を確認すべきか、そして現場では実際にどう対応しているのかを解説します。特定の業者を勧めるためではなく、依頼先を判断する材料としてお読みいただければ幸いです。

スキャン漏れや品質の悪さが心配

なぜ不安になるのか

数千枚、数万枚という単位の書類を預けた場合、納品されたデータをすべて開いて確認することは現実的ではありません。「1枚抜けていても気づけない」という状況が、この不安の正体です。

しかも書類の電子化は、抜けや品質不良が発覚するタイミングが遅れます。原本を廃棄した後、あるいは数か月後に「あの書類を見たい」となったときに初めて気づく——これが最も避けたい事態です。

確認すべきこと

見積の段階で、検品をどう行っているかを確認してください。ポイントは3つあります。

  • 全数を確認しているか、抜き取り検査か
  • 枚数の照合をどの単位で行っているか(箱ごと、ファイルごと、冊ごと)
  • 品質不良が見つかった場合、再スキャンの費用はどちらが負担するか

「検品しています」という言葉だけでは判断できません。何を、どの単位で照合しているかまで聞くことをおすすめします。

現場ではどうしているか

弊社では、スキャン後に全数の画像確認を行い、原本の枚数とデータの枚数を照合しています。ファイル単位・冊単位で数を合わせ、傾きや欠け、二重送り(2枚が重なって送られること)がないかを目視で確認します。

不鮮明な箇所が見つかった場合は、その場で再スキャンします。納品後に不備が判明した場合も、原本をお預かりしている期間内であれば無償で対応しています。

なお、原本そのものの状態が悪い場合——文字がかすれている、印字が薄いといった場合——は、スキャンで改善できる範囲に限界があります。この点は事前にお伝えし、必要であればサンプルスキャンで仕上がりを確認いただいています。

データが重すぎて開くのに時間がかかる

なぜ不安になるのか

意外に思われるかもしれませんが、「電子化したのに使えなかった」という失敗の典型がこれです。解像度を上げれば画質は良くなりますが、その分ファイルサイズは大きくなります。1冊数百ページの資料が数百MBになってしまうと、開くだけで待たされ、共有もままなりません。

「高画質=良い電子化」ではない、というのがこの問題の本質です。

確認すべきこと

用途を伝えたうえで、解像度とファイル形式を提案してくれるかを見てください。

  • 画面で閲覧するだけなのか、印刷し直すのか
  • 全文検索をかけたいのか
  • 社内共有するのか、長期保存が目的か

用途によって最適な設定は変わります。何も聞かずに「600dpiで納品します」と言う業者は、要件を考えていない可能性があります。

現場ではどうしているか

弊社では、多くの案件で300dpiを基準としています。一般的な書類であれば、画面での閲覧にも印刷にも十分な品質が得られ、ファイルサイズも扱いやすい範囲に収まるためです。

一方、細かい文字が密集した図面や、拡大して使う資料、OCR(文字認識)をかける前提の書類では、400〜600dpiを検討します。逆に言えば、必要のない書類まで高解像度にすることはしません

また、1冊が数百ページに及ぶ資料は、章や年度ごとにファイルを分割する方法もご提案しています。ファイルの分け方は後から変更しにくいため、最初の設計が重要です。

作業中に、預けた書類を確認したくなったら

なぜ不安になるのか

業務で使っている書類を電子化する場合、避けられないのがこの問題です。「数か月預けている間に、あの契約書を確認する必要が出てきたらどうするのか」——実務を回している方ほど、この点を気にされます。

確認すべきこと

  • 作業中に原本を確認する手段があるか(個別の取り出し、優先スキャン、写真での確認など)
  • その場合の連絡方法と、どのくらいで対応してもらえるか
  • 追加費用が発生するかどうか

あわせて、そもそも預ける前に切り分けができないかも検討する価値があります。使用頻度の高い書類を手元に残す、あるいは先にその分だけ電子化して納品してもらう、という進め方です。

現場ではどうしているか

弊社では、お預かりした書類を案件ごとに管理し、どの箱にどの書類が入っているかを把握した状態で作業を進めます。作業中に「この書類を確認したい」とご連絡いただいた場合は、該当箇所を優先してスキャンし、データでお送りする形で対応しています。

また、大量の書類をお預かりする案件では、分割納品をご提案することがあります。全部終わってから一度に納品するのではなく、まとまった単位で順次お渡しする方法です。手元に何もない期間を短くできるため、業務への影響を抑えられます。

▶ 関連コラム:スキャン代行の費用相場はいくら?見積の読み方と「1箱に何枚入るか」の目安を解説

A3までは対応できるが、大判図面は断られる

なぜ不安になるのか

一般的なオフィス向けの複合機やスキャナはA3までの対応です。そのため、A2・A1・A0といった大判図面や、長尺の資料は「対応できません」と断られることがあります。

書類と図面が混在している場合、「書類はA社、図面はB社」と分けて依頼せざるを得ず、手間もコストも増えてしまいます。

確認すべきこと

  • 対応可能な最大サイズ(A1まで、A0まで、長尺可など)
  • 製本された図面をそのまま扱えるか(解体が必要か)
  • 青焼き(ジアゾ複写)など、古い図面に対応できるか

とくに製本図面は業者によって対応が分かれます。解体を前提とする業者もあれば、綴じたままスキャンできる業者もあります。

現場ではどうしているか

弊社は大判対応のスキャナを備えており、A1サイズや長尺の図面に対応しています。書類と図面が混在した案件も、まとめてお引き受けしています。

青焼き図面については、状態に応じて設定を変えます。地色(背景の色)が薄く残っている図面は白黒2値できれいに仕上がりますが、退色が進んで線と地色の濃さが近づいている場合は、グレースケールの方が線を残せます。この判断は原本を見てご提案しています。

なお、肉眼で読み取れない線は、スキャンしても再現できません。「今、目で見て読めるかどうか」が電子化後に読めるかの目安になります。一方、日焼けによる変色は設定調整で改善できることが多く、見た目がきれいになるケースは少なくありません。

▶ 関連コラム:製本された図面はバラさずスキャンできる?竣工図書・完成図書を非破壊で電子化する方法

スキャンが終わったら廃棄してほしい

なぜ不安になるのか

電子化の目的が保管スペースの削減である場合、原本が返ってきては意味がありません。とはいえ、機密書類を「捨ててください」と託すことには不安が伴います。本当に適切に処分されたのか、確認する手段がないためです。

確認すべきこと

  • 廃棄の方法(溶解処理、シュレッダー、焼却)
  • 処理完了を証明する書類が発行されるか
  • 廃棄までの保管状態と、実施までの期間
  • 電子化と廃棄を同じ業者に依頼できるか(別々に手配する必要があるか)

溶解処理は、書類を開封せずに溶かして再生紙の原料にする方法で、機密性が高い書類に適しています。シュレッダーは復元の可能性がゼロではないため、機密度によって使い分けを検討してください。

現場ではどうしているか

弊社ではスキャン後の原本廃棄をオプションとしてお引き受けしています。溶解処理に対応しており、ご希望に応じて溶解廃棄処理証明書を発行いたします。社内の稟議や監査で必要になることが多いためです。

弊社の場合、書類の搬出から一時保管、スキャン、廃棄までを一括してお引き受けできる点を強みとしています。電子化は業者A、廃棄は業者Bと分けると、そのたびに書類が移動し、窓口も増えます。ワンストップであれば書類が移動する回数を減らせ、責任の所在も明確です。

なお、廃棄は納品データをご確認いただいた後に実施します。データに問題がないことを確認してから処分する、という順序です。ご希望があれば、一部だけ返却し残りを廃棄する、といった対応も可能です。

▶ 関連コラム:機密文書のスキャン外注は危険?安全な業者の見分け方とNDA・ISO27001の考え方

本当に「使える」データになるのか

なぜ不安になるのか

ここが最も本質的な不安かもしれません。PDFになったとしても、目的のファイルを探せなければ、紙のときと変わりません。むしろ、棚から探す方が早かった——そうなっては本末転倒です。

「電子化」と「使えるデータ」は別物です。この差を生むのは、スキャンの精度ではなく設計です。

確認すべきこと

  • ファイル名をどう付けるか、その規則を一緒に考えてくれるか
  • 索引(一覧表)を作成してもらえるか
  • OCR(文字認識)が必要かどうかを、用途から判断してくれるか
  • 1ファイルの単位をどうするか(1冊1ファイル、1件1ファイルなど)

「スキャンしてPDFにします」で終わる業者と、「どう探すか」から設計する業者では、納品後の使い勝手が大きく変わります。

現場ではどうしているか

弊社では、スキャンそのものよりも電子化した後にどう使うかを重視しています。

たとえば、住宅設備メーカー様の案件では、約6万枚の製品図面・特注仕様書を物件別のファイル名で整理しました。図面番号と物件名を組み合わせた命名規則を設計することで、必要な図面にすぐたどり着ける状態にしています。

大手インフラ系グループ様の建物図面100箱超の案件では、フォルダ名・箱番号・書類に貼るシールの3つを同じ番号で対応させました。閲覧のために持ち出した図面が、元の箱に確実に戻せる運用まで含めた設計です。

索引リスト(Excel)の作成にも対応しています。OCRについては、全文検索が必要な場合や、文字が明瞭な印字資料では効果的ですが、手書き文字や状態の悪い原本では精度が上がりにくいため、用途を伺ったうえで要否をご提案しています。

▶ 関連コラム:スキャン後のPDFにOCRは必要?精度と費用対効果、後付け依頼の可否を解説

見積より高くなるのではないか

なぜ不安になるのか

書類の電子化は、依頼する側が正確な枚数を把握していないことがほとんどです。「段ボール20箱分」「キャビネット3本」といった状態で見積を依頼するため、実際の枚数が想定より多かった場合にどうなるのか、という不安が生じます。

社内で予算を通した後に金額が変わることは、担当者にとって避けたい事態です。

確認すべきこと

  • 概算見積の根拠(何をもとに枚数を想定しているか)
  • 実際の数量がどの時点で分かるか、報告があるか
  • 見積金額が上限になるのか、実数次第で超えることがあるのか
  • 見積に含まれない項目は何か(ホチキス外し、返送料、メディア代、最低料金など)

とくに最後の項目は重要です。1枚あたりの単価が安くても、付帯費用で総額が逆転することがあります。比較する際は、単価だけでなく「その金額に何が含まれるか」を揃えて確認してください。

現場ではどうしているか

弊社では、まずファイルの冊数や厚み、キャビネットの横幅の合計といった情報をお伺いし、これまでの実績から得た換算の目安をもとに概算数量を算出します。現物をすべて数えなくても、おおよその枚数を見積もることができます。

実際の数量は、スキャンと同時に文書サイズごとにカウントし、納品時の作業レポートで報告します。ご請求は、この実数に基づいて行います。概算より少なければ、その分だけご請求額も下がります。

そのうえで、お出しした見積金額を上限としてお引き受けしています。実数が想定を超えて見積金額に届きそうな場合は、作業を進める前にご連絡します。追加のご了承をいただくか、見積の範囲内に収まるよう対象を調整するか、ご相談のうえで決めていただけます。

社内で通した予算を超える、という事態は起こりません。

▶ 関連コラム:スキャン代行の費用相場はいくら?見積の読み方と「1箱に何枚入るか」の目安を解説

原本が傷んだり、紛失したりしないか

なぜ不安になるのか

契約書、図面、カルテなど、原本そのものに価値がある書類の場合、この不安は切実です。スキャンのために解体されて戻ってきた、輸送中に紛失した——そうなっても代わりがありません。

確認すべきこと

  • 非破壊(解体せず)でのスキャンに対応しているか
  • ホチキスやファイル綴じを外した場合、元に戻してもらえるか
  • 輸送方法(宅配便か、文書搬送専用便か、セキュリティ便か)
  • 作業中の保管場所と管理体制

「非破壊対応」と書かれていても、対象が限定されていることがあります。製本された資料、厚みのある冊子、劣化した原本まで対応できるかを確認してください。

現場ではどうしているか

弊社では、原本を解体せずに電子化する非破壊スキャンに対応しています。ホチキス留めやファイル綴じの書類は、外した後に元の状態に戻してお返しします。

作業中の書類は施錠された環境で管理し、案件ごとに区分して保管しています。ISO27001(ISMS)認証を取得しており、機密保持契約(NDA)の締結にも対応しています。

輸送方法は、機密度や物量に応じてご相談のうえで決めています。文書搬送専用便やセキュリティ便の手配も可能です。納品後は、廃棄をご希望の場合を除き、お預かりした原本を全数返却します。

また、書類の量が多く社内での梱包が負担になる場合は、梱包作業の代行も承っています(別途費用・対応エリアに限りがあります)。キャビネットやファイルから箱詰めするところからお引き受けした実績があり、「何から手をつければよいか分からない」という状態からご相談いただけます。

▶ 関連コラム:契約書・契約図書は裁断せずにスキャンできる?非破壊スキャンの条件と注意点

まとめ:不安を残したまま発注しないために

書類電子化の業者選びで失敗しないためには、気になっている点をすべて事前に確認しておくことに尽きます。この記事で挙げた8つは、いずれも作業が始まってからでは修正が難しい項目です。

  • 検品はどの単位で行うか
  • 解像度とファイル形式は用途に合っているか
  • 作業中に原本を確認できるか
  • 大判や特殊な原本に対応できるか
  • 搬出から廃棄までを一括で依頼できるか、証明書は出るか
  • ファイル名や索引の設計をしてくれるか
  • 見積の前提と、含まれない費用は何か
  • 非破壊対応か、原本の管理体制はどうか
  • 梱包や搬出から依頼できるか

これらに明確に答えられる業者であれば、実際の作業も丁寧である可能性が高いと考えられます。逆に、質問に対して曖昧な返答しか返ってこない場合は、慎重に検討された方がよいかもしれません。

スキャンブリッジでは、電子化した後にどう使うかを含めてご提案しています。「何から手をつければよいか分からない」「まずは費用感だけ知りたい」といった段階からのご相談も歓迎しております。箱数や棚の本数が分かれば、概算のお見積りが可能です。

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