文書電子化コラム

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大判サイズの文書電子化はどうすれば良い?

e-文書法の施行により、設計図や施工図などの建築図面も電子データで保存することが可能になりました。

ただ、これらの建築図面は大判サイズで作成されることが一般的ですが、一般的なスキャナーはA4サイズまでにしか対応していません。そのため、A1サイズやB1サイズの図面を社内で電子データ化するのは、困難であると言えます。

この場合、どうすればよいのでしょうか。ここでは、大判サイズの文書電子化について解説していきます。

建築基準法・建築士法・建設業法で定められた文書保管義務

2005年、民間建築工事において発生した構造計画書の偽装事件。このような事件の再発を防止するために、建築基準法、建築法、建築業法が改正。設計や施工の責任を明確化するために、図面や書類を長期保存することが義務づけられるようになりました。

各法律での保存期間は以下の通りです。

◎建築基準法

確認申請書・中間検査申請書・完了検査申請書・定期検査報告書・構造計算書
…保存期間15年

建築物等の台帳(建築計画概要書・定期調査報告概要書・処分概要書等)
…永久保存(当該建築物が滅失し、又は除却されるまで)

◎建築士法

設計図書
※配置図・各階平面図・2面以上の立面図・2面以上の断面図
※基礎伏図・各階床伏図・小屋伏図・構造詳細図・構造計算書
…保存期間15年

工事監理報告書
…保存期間15年

帳簿
…保存期間15年

◎建設業法

営業に関する図書
※完成図(竣工図)、発注者との打合せ記録、施工体系図
…保存期間10年

営業に関する帳簿
…保存期間5年(住宅は10年)

▼参照元:公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会
https://www.jiima.or.jp/pdf/kenchiku_denshika_vol1.1_201803.pdf

これらの文書は、原本性を担保するために設計者の記名押印が必須となっています。そのため、電子データで作成しただけでは保存義務を果たすことにならず、一度印刷し、押印してから電子化する必要があります。

 

建築図面を電子化するメリット

何らかの理由で図面の開示要求を受けた場合、複製の必要に迫られるため電子データとして保管することは理にかなっていると言えます。

また、規定の期間文書を保存しなかった場合、多額の罰金が課されることになってしまいます。しかし、ミスや盗難、災害などで紛失してしまうリスクは常につきまといます。電子データで保存しておけば、サーバ上に保管することになるため紛失の可能性がなく、セキュリティを強固にしておくことで盗み見られるリスクも低減させることができます。

そして、法改正により建築図面の保存期間が長期化したため、同時期に保存する文書の数がそれだけ増えるということにつながります。大判サイズの図面を多数保存するためには、オフィス内に大きな保管スペースを確保しなければなりません。そうなると、借りるべきオフィスの敷地面積も増やさなければならず、賃料の負担にもつながります。そこで電子文書化すれば、オフィスに保管スペースを確保する必要はなくなります。賃料というコストを削減するためにも大きなメリットになるのです。

 

大判サイズの電子文書化には専用スキャナーが必要

建築図面を電子データ化するメリットは多数ありますが、A1やB1サイズの図面をスキャニングするのは容易ではありません。一般的なスキャナーはA4サイズまでしか対応しておらず、大判サイズの書類はそのままスキャンすることができないのです。

A4対応スキャナーの合成機能を使うことで、なんとかデータ化することもできなくはないですが、今までストックしてきた膨大な書類をスキャニングすることを考えると現実的ではないでしょう。また、大判サイズ専用のスキャナーも販売されていますが、購入するにはそれなりのコストがかかってしまうのも難点です。

そこで選択肢として挙がるのが、スキャニングサービス専門会社に依頼することです。スキャニングサービス専門会社とは、膨大な文書を高いクオリティで電子化してくれる会社のこと。中でも、大判サイズのスキャニングに対応できる会社は限られているので、しっかりと厳選して選ぶことが重要になります。

 

スキャンブリッジの設計図面電子化サービスならA1サイズから対応

スキャンブリッジの設計図面電子化サービスなら、A1サイズのような大判サイズの図面も、専用スキャナーで正確に電子化することが可能。それ以外にも、数メートルにわたる長尺図面にも対応できる設備と専任スタッフが揃っています。

建築図面を電子化することで、保管スペースを有効活用することができ、図面を社内外ともに共有しやすくすることができます。電子データはスマートフォンやタブレットでも確認できるため、巨大な図面もモバイルデバイスがあれば手軽に閲覧することが可能。協力会社や顧客に図面を用いて説明する際には、持ち運びの荷物を減らすことができるでしょう。

スキャンブリッジでは、文書電子化した後のデータを効率的に運用するためのアドバイスも実施しています。データを工程ごとに分けるなど、検索しやすい構造で保存することで、大幅な業務効率化につながるでしょう。大判サイズの文書電子化を検討している方は、スキャンブリッジまでお気軽にお問い合わせください。

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