紙カルテの電子化はどう進める?枚数の数え方・費用の考え方・スキャン後の運用を解説
「保管庫が紙カルテで一杯」「電子カルテに移行したが、過去の紙カルテが残っている」——医療機関から寄せられる電子化のご相談は、年々増えています。結論からお伝えすると、紙カルテの電子化は、枚数が正確にわからない段階からでも進められます。本記事では、数十万枚規模のご相談にも対応してきた経験をもとに、概算の立て方から費用の考え方、スキャン後の運用までを順に解説します。
目次
紙カルテは電子化できますか?どんなタイミングで検討すべきですか?
はい、電子化できます。検討のきっかけは「保管スペースの限界」「電子カルテへの移行」「閉院・移転」の3つが代表的です。
紙カルテは診療の続く限り増え続け、保管スペースと管理の手間を圧迫します。電子カルテを導入しても、過去の紙カルテが参照用に残り続けるケースは少なくありません。電子化すれば、保管庫の解放、必要なカルテへの即時アクセス、災害・劣化による喪失リスクの低減が同時に実現します。閉院や移転で大量のカルテの扱いに困っている、というご相談も増えています。
カルテの枚数がわかりません。どうやって概算すればいいですか?
正確な枚数を数える必要はありません。保管箱の数や棚の長さから概算できます。まずは「箱数」を教えてください。
枚数を正確に把握できているご担当者は、実際にはほとんどいらっしゃいません。目安として、文書保管箱(外寸 370mm×350mm×270mm程度)1箱に、A4用紙換算でおよそ2,000〜2,500枚が収まります。カルテはホルダーや仕切り、貼り付け資料が混在するため実際にはこれより少なくなることも多いですが、「箱が何箱あるか」「棚が何本埋まっているか」がわかれば概算見積は可能です。精度を上げたい場合は、現場確認や、代表的な1箱をサンプルとして数える方法もあります。
紙カルテならではの難しさはありますか?
あります。サイズ混在・貼り付け資料・綴じ具の多さ、そして全ページが個人情報という点です。専門業者のノウハウが活きる領域です。
カルテには、A4・A5の用紙に加えて、検査結果の感熱紙、折り込まれた心電図、台紙に貼られた資料などが混在します。ホッチキスやクリップも大量です。当社ではこれらをすべてそのままお預かりし、丁寧に取り外し・展開してスキャンします。また、カルテは1ページ残らず要配慮個人情報です。ISO27001(ISMS認証)に基づく入退室管理された環境で、NDA締結のうえお取り扱いします。セキュリティ体制の確認ポイントは関連記事で詳しく解説しています。
費用はどのように決まりますか?抑えるコツはありますか?
費用は「枚数×仕様」で決まります。対象期間の絞り込みと、OCRの要否判断がコストを大きく左右します。
基本は枚数(分量)に、カラーか白黒か、ファイルの分割単位、OCRの有無といった仕様を掛け合わせて決まります。コストを抑えるポイントは3つです。①対象を絞る:全カルテではなく「直近の通院がある患者分のみ」「過去◯年分のみ」とする、②仕様を実用本位にする:カルテは患者ID・氏名で探すのが実務なので、全文OCRを付けずに「患者ID単位のPDF+Excelの索引リスト」とする方が、費用対効果が高いケースが多くあります、③仕分けから任せる:院内スタッフでの事前整理は負担が大きいため、仕分け・梱包込みで依頼した方が総コストが下がることも珍しくありません。
スキャン後のデータはどのように使えますか?
患者ID単位のPDFにまとめ、ファイル命名規則とExcel索引リストを整備すれば、紙の棚と同じ感覚で「引き出せる」状態になります。
納品形式の設計が、電子化の使い勝手を決めます。代表的なのは「1患者=1PDF(またはカルテ1冊=1PDF)」とし、ファイル名に患者番号・氏名(またはID)を付与、全ファイルをExcelでリスト化する形です。これにより、電子カルテとは別のフォルダ運用でも、患者番号での検索が数秒で完結します。納品後の運用イメージをご相談時に伺い、最適なファイル設計をご提案します。
電子化した後の紙カルテ(原本)はどうすればいいですか?
返却・廃棄のどちらも対応可能です。ただしカルテには法定保存期間があるため、原本の廃棄は院内の保存方針を確認のうえ判断してください。
診療録には医師法等に基づく保存期間の定めがあり、電子化データの法的な位置づけは運用方法によって異なります。保存期間内の原本の扱いは、院内の文書管理方針やガイドラインをご確認のうえご判断ください。廃棄をご選択の場合は、情報漏洩に配慮した機密廃棄を当社が責任をもって行い、ご要望に応じて処理完了証明書を発行します。「保存期間内の分は返却、期間経過分は廃棄」という仕分けにも対応できます。
よくあるご質問
Q. 閉院に伴うカルテの電子化もお願いできますか?
はい、ご相談いただけます。閉院時は保管義務との兼ね合いが特に重要になるため、保存期間・保管方法の方針を確認しながら、電子化と原本の取り扱いをご提案します。
Q. 電子カルテシステムに取り込めますか?
当社の納品はPDFデータ(+索引リスト)が基本です。電子カルテシステムへの取り込み可否や方法はシステムごとに異なるため、取り込みを前提とする場合は、システムベンダー様の仕様を確認のうえファイル設計をすり合わせます。
Q. 診療を続けながらでも依頼できますか?
はい、可能です。「参照する可能性のあるカルテ」を事前に伺い、分割してのお預かりや優先順位をつけた納品で、診療への影響を最小限にする進め方をご提案します。
まとめ:まずは「箱数」だけ教えてください
紙カルテの電子化は、正確な枚数がわからなくても、保管箱の数や棚の状況から概算をスタートできます。費用は対象の絞り込みとファイル設計の工夫で大きく最適化でき、電子化後は患者IDで数秒で引き出せる運用が実現します。スキャンブリッジは1,200件を超える電子化実績と、機密文書の取り扱い体制(ISO27001・NDA・処理完了証明書)で、医療機関の文書管理をご支援します。「何箱あるか」だけでも構いません、まずはお気軽にご相談ください。
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